今週木曜早朝にエヌビディア(NVDA)の最新の第3四半期決算が発表された。
結果は売上高、EPSともに市場予想を上回る好業績を記録した。売上高が市場予想331.34億ドルに対して5.8%増の350.82億ドル、EPSが市場予想0.70ドルに対して11.35%増の0.78ドル。前年同期比で売上高・EPSを比較すると売上高93.61%増、EPS110.81%増!驚異的な数字だった。
エヌビディアの売上高を部門別に見てみると、データセンター部門が前年同期比112%増で、売上全体に占める割合が約87.8%と最大。次いでゲーミング部門が前年同期比15%増で全体に占める割合が約9.4%。残りの約2.8%(約9.82億ドル)は、プロフェッショナルビジュアライゼーションや自動車・ロボティクス向け製品などだが、こちらは詳細な情報がない。
上記から考えられるのは、エヌビディアはやはりデータセンターへ納入するGPU製品が収益の大部分を支えている。そしてそのデータセンター向けGPUの需要は、生成AIの普及拡大とともに今後も増大し続けるはずだ。GPUはデータセンターに一度納入したら終わり、というわけではなく、携帯電話を最新機種に乗り換えるように数年で最新のものに切り替えていく更新需要もあるはずで、その更新頻度もおそらく頻繁に行われると思う。ハイパースケーラー(ビックテック)は他社にテータ競争で負けたくないはずで、常にその時の最新のGPUを欲しがると予想されるから。
決算を受けて今週エヌビディアの株価は結局141.95ドルと決算発表前より沈んでいるが、最近まで上昇基調だった株価に好決算はすでに織り込まれていて、決算を機に利食い売りがでている格好だ。とはいえ売上高前年同期比で売上高93.61%増というのはとんでもない数字で、大型株でこんな数字を出せる企業は他にないだろう。以前の主力売上であったゲーミング向けも前年同期比で15%増だし、会社全体で成長している感がある。
これからしばらくは株価が揉む可能性があるが、いずれ時間調整、値幅調整が終わればまた上を目指して少しずつ上昇していくとみている。今回の決算を受けて、主要アナリストの目標株価は173ドル前後となっている。ちなみに、アナリスト目標株価の上限はローゼンブラット(Rosenblatt)の220ドル、下限はドイツ銀行(Deutsche Bank)の140ドル。現在エヌビディアの株価は141.95ドルなのでドイツ銀行の目標株価に近い。ここから下は買い下がっていってもいずれ報われる価格帯であるように思う。